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ニックネーム:ピーターさん
新潟大学 医学部医学科 2019年度 合格
勉強期間
医学部学士編入の勉強は昨年7月ごろから始めて、新潟大学を受験したとき(八月末)にはちょうど1年と二か月くらいでした。
元々新潟大学医学部だけを志望してたわけではなく、複数校受験していたので新潟に向けての個別対策は3か月ほど前から本格的に始めました。
試験の特徴
試験は一次試験と二次試験に分かれていて、最終合格は一次試験と二次試験の総合点で決められます。
一次試験はいわゆる筆記試験で、数学、物理、化学、生物、英語の5科目(各科目100点)です。
ただ注意してほしいのが、英語は出願時にTOEICのスコアを提出するのですが、その点数がそのまま英語の点数(TOEICの990点を100点に圧縮)になります。
この一次試験で上位15人に入ることができれば、後日行われる二次試験に進むことができます。
二次試験では15分程度の個別面接があります。
個別面接では毎年必ず、その場で試験官からテーマを与えられてその場で自分の意見を述べるというものがあります。
医療に関するテーマなので普段から医療に関するニュースなどにはアンテナを広くしておくことをおすすめします。
他に面接で聞かれたことは
・新潟大学についてどの程度知っているか(新潟大学医学部の研究については調べておいた方がいいでしょう)
・学士編入生として入学したとして他の学生にどのような影響を与えれるか
・卒後も新潟に残って医師として働いてくれるのか
新潟大学の面接試験は比較的点数が出やすいとのことですので、二次試験での大きな逆転は中々難しいかもしれません。
一次試験でしっかり点数をとって上位に位置することがとても重要です。
使用した参考書と勉強法
まず、何よりも重要なことは過去問を手に入れることです。
できれば3~5年分くらいほしいところです。
一応、大学に請求すれば1年分は手に入ります。
それ以前の過去問に関してはKALSといった予備校に通ってなければ、メルカリやヤフオクで手に入れるのが一番確実です。
数千円かかってしまうかもしれませんが、試験の傾向、出題範囲、難易度を知っておくためにも必ず手に入れましょう。
TOEIC対策は「TOEIC L&Rテスト本番そのままプラチナボキャブラリー」という参考書を使ってました。
TOEIC(R)L&Rテスト 本番そのまま プラチナボキャブラリー
元々TOEICが苦手(600を超えるくらい)だったのですが、この本は本番形式で単語だったり頻出表現を学べ、すべての文に音声ファイルがあるので特にリスニングが苦手なTOEIC初心者におすすめです。
この本をしっかり暗記するだけで700点オーバーは堅いです。
この本の内容を暗記出来たら実際にTOEICを受けてみることをお勧めします。
成績が返却されたら分野ごとの点数を分析して他に比べて点数が伸びてない分野があったら、そこに絞った参考書などを使うのがいいでしょう。
数学は大学教養レベルと高校レベルの問題が混在してます。
年によってはほとんど高校数学の知識で解けることもありますが、大学教養レベルの数学もやっておきましょう。
具体的には大学一年レベルの微積、線形代数学(特によく出るのが3×3行列の計算など)、簡単な微分方程式の解法です。
参考書はサイエンス社の「詳解演微分積分」、「詳解演習線形代数」がおすすめです。
ただすべての問題を解く必要はなく、計算問題をメインに解けば十分です。
あとはしっかり高校数学の範囲の復習もお忘れなく。
物理も数学同様に高校レベルと大学教養レベルが混在してますが、数学以上に大学教養レベルの出題が多いイメージです。
まずは高校の範囲の物理をしっかりやりましょう。
河合塾の「物理教室」がおすすめです。
そのあとは力学、電磁気学、熱力学の大学教養レベルをマスターしましょう。
ただ、あまり難しい問題は出ないので、サイエンス社の「基礎物理学演習」などで十分だと思います。
基礎物理学演習 (1) ((ライブラリ工学基礎物理学 (別巻=1)))
化学は大学教養レベルの問題がメインとなります。
ただ有機化学は出ないのでやる必要はありません。
化学は範囲が広く中々出題分野の絞り込みが難しい科目です。ただ、量子化学と熱化学は頻出分野なので必ずやっておきましょう。この二分野が出題されたときに解けないと他の受験者より化学でビハインドを背負ってしまうと思った方が良いです。
熱化学は「演習で学ぶ化学熱力学」という参考書がとてもわかりやすく医学部学士編入レベルの問題も多く特におすすめです。
物理の熱力学分野の勉強にもなります。
量子化学は「単位が取れる量子化学ノート」がとてもわかりやすいです。
これを一周するだけで量子化学の得点力はかなり変わります。
生物は中々対策が難しい科目です。
細胞生物学、分子生物学、免疫学、生化学など非常に範囲が広いです。
高得点を取るのは難しいのでしっかり自分が解ける問題をミスせず得点して6割を目標にするのをお勧めします。
特に新潟大学は各大門ごとに穴埋め問題があることが多いのでそこはなるべく落とさず取りましょう。
そのためにも基礎的な用語はしっかり暗記しておく必要があります。
基礎事項のチェックには「基礎から学ぶ生物学・細胞生物学」がおすすめです。
網羅する範囲もそこそこ広くページ数が多くないのでこの手の本の中では読みやすく全体像の把握がしやすいです。
ただ最近頻出の免疫学については記述がすこし薄いので別に専門の本で勉強した方がいいです。
受験生にお伝えしたいこと
医学部の学士編入というと東大生や京大生といったかなり優秀な人間でなければ到底受からないと一部で言われていますが、決してそんなことはありません。
確かに東大などの有名大学を卒業した人は多いですが、多くても半分程度という印象です。
実際私も普通の大学の出身です。
また、倍率も確かに高いですが、実際には記念受験だったり受験するレベルの学力ではない人がかなりの数受けています。
複数校受験するとわかるのですが、筆記試験を通過するメンバーは大体同じメンバーになります。
実際のところ、しっかり勉強して試験に来てる人は出願者の30%くらいではないでしょうか。
ですから見かけの倍率に恐れることなく、しっかりやるべき勉強をしましょう。
最後に、医学部学士編入は中々生の情報が手に入りにくくイメージで語られることが多いです。
もし周りに学士編入を経験された方がいたらその人からお話を聞くのをぜひおすすめします。
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